法人化するか迷ってるんですが、今後も少人数でやっていくつもりです。
組織をガンガン拡大しなくても、法人化するメリットはあるんでしょうか?
スモールビジネスでも、法人化のメリットはありますよ!
個人事業主のときと比較しながら、難しい言葉を使わずに説明しますね。
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自分への給料が経費になる
個人事業主の場合、「売上で入金されたお金-経費で使ったお金」は、
すべて自分の懐に入ってくるので、自由にお金を使えます。
事業用口座から生活費をおろしても、自分に給料を払ったことにはなりません。
法人化すると、「売上で入金されたお金-経費で使ったお金」は、
すべて会社の口座に貯金されていきます。
自分で作って、自分しかいない会社であっても、
会社は別物なので、会社の貯金を勝手に使うことはできません。
それじゃ生活できないので、決めた金額だけ毎月、会社の口座から個人口座に移します。
会社からお金が振り込まれる。サラリーマンが、勤め先から給料をもらうのと同じですね。
つまり自分に給料を払ったことになります。
給料は、会社の経費。経費が増えれば会社の税金も減るので、
法人化すると、自分への給料×税率分だけ、会社の税金を減らすことができるのです。
お金を減らさずに、経費を増やせるのはいいですね!
もらった給料から、さらに経費がひける
個人事業主の収入源は、取引先からの売上です。
売上1,000万-経費300万=700万が自分の儲けとなり、
700万をもとに個人の税金を計算をしていました。
法人化すると、取引先からの売上は会社に入るため、
売上1,000万-経費300万-給料600万=100万が会社の儲けとなり、
100万をもとに会社の税金を計算します。
この場合、自分の収入は会社からの給料600万ですね。
事業で使った経費は、会社のほうで既にひいたので、
600万が自分の儲け。これをもとに、個人の税金を計算します。
と思いきや!この600万からさらに経費がひけるのです!!
ここからは、自分ひとりの会社だとわかりにくいので、
サラリーマンをイメージしましょう。
サラリーマンは会社勤めする際、毎日のスーツや勉強代など、自分で負担しますが、
こういったお金は経費として認められていません。
しかし、サラリーマン=経費ゼロはフェアじゃない!ということで、
給料からも経費をひくことが認められています。これを「給与所得控除」といいます。
個人事業主と違うのは、経費の金額が決まっていることです。
その人の給料によって変わりますが、最低55万から、最高195万まで。
給料が600万であれば、164万ひけるので、436万をもとに個人の税金を計算します。
つまり法人化すると、給与所得控除×税率分だけ、個人の税金が減らせるのです。
これもお金を減らさずに、経費を増やせる方法ですね!
でも自分の会社だと、不思議な感覚・・
経費の幅が広がる
法人化すると、主に次のようなものも経費になります。(詳細は別記事にする予定です)
- 会社名義で借りた自宅の家賃(=社宅。一部、自己負担あり)
- 会社で契約した、生命保険料の掛金(ただし保険の種類による)
- 出張したときの日当(ただしルール設計が必要)
- 会社名義で買った車(ちょっとずつ経費になる)
- 引退するときに、自分に払う退職金
また会社は、常に利益を得ることを目的に活動する存在です。
つまり、会社が使うお金=事業に必要なものであるはず、という前提があります。
一方で個人はそうではありませんよね。
個人事業主が使うのは、生活費と、事業に必要なもの。
法人と違って、この区分が曖昧になりやすいので、
売上を獲得するために「直接」使ったものだけが経費、と法律に決められています。
とはいえ、会社名義なら何でも経費になるわけではないのでご注意を。
プライベートで使ったお金は、いくら法人でも経費になりません。
法人だから何でも経費になるわけじゃないんですね!
事業になぜ必要なのか、説明できるようにしておかないと。
法人税は、所得税ほどは高くならない
所得税は、個人の儲けが大きくなればなるほど、税率が階段式に高くなっていきます。
所得税率については、コチラの記事をご覧ください
一方で法人税は、税率が一律です。
さらに中小企業であれば、一定額までは安い税率を使うことができるため、
会社の儲けが大きくなるほど、所得税との税率差が広がっていくわけです。
ただし、スモールビジネスの場合、
毎年のように何億も儲けが出ることは稀でしょう。
会社でどれぐらい儲けがでるのか、自分への給料はどれぐらい欲しいのか、
シミュレーションしてみないと、このメリットを有効活用できないので、ご注意下さい。
法人と個人でどれぐらい儲けを残すのか、
バランスが重要なんですね。
決算月を自由に決めることができる
個人事業主の申告期限は、3月15日でしたね。
1~12月がひとつの事業年度になっていたので、
個人事業主は全員、12月決算ということになります。
一方、会社であれば決算月は何月でもOKです。
例えば冬が繁忙期であれば、6月決算にする。
会社の申告期限は2か月後になるので、8月末までに決算を終わらせればOKです。
会社は3月か12月決算にしないといけないと思っていました!
自由にできるのは有難いです。
信用力が増す
取引先が大会社であればあるほど、
法人でないと取引してもらえない傾向があります。
法人化することで、個人事業主ではできない仕事を獲得できるかもしれません。
また人によってメリットとは思えないかもしれませんが、
会社であれば肩書ができるため、「代表取締役」や「CEO」と名乗ることもできます。
会社を作りたい動機は、節税だけじゃないですもんね。
いつか社長と名乗りたい!この原動力も大切だ!
社会保険に加入できる
個人事業主は、国民健康保険・国民年金にしか入れませんが、
会社は、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することができます。
社会保険に入ると、主に次のようなメリットがあります。
- 将来の年金額が増える
- 病気やケガで仕事ができなくなっても、傷病手当金がもらえる
- 女性なら出産手当金がもらえる
- 配偶者や子供など、扶養されている人の保険料が免除される
保険料が高いのはデメリットにもなりますが、
個人事業主のときよりも、守られている安心感はありますね。
傷病手当金の存在は、気持ちが楽になりますね。
でも保険料は高いのかあ・・
メリット・デメリット、いずれも知ることが大切です。
次回はデメリットについてお話ししますね!