個人事業主が法人化(法人成り)するメリット7選【第1回】

個人事業主さん
個人事業主さん

法人化するか迷ってるんですが、今後も少人数でやっていくつもりです。

組織をガンガン拡大しなくても、法人化するメリットはあるんでしょうか?

神澤
神澤

スモールビジネスでも、法人化のメリットはありますよ!
個人事業主のときと比較しながら、難しい言葉を使わずに説明しますね。

自分への給料が経費になる

個人事業主の場合、「売上で入金されたお金-経費で使ったお金」は、
すべて自分の懐に入ってくるので、自由にお金を使えます。
事業用口座から生活費をおろしても、自分に給料を払ったことにはなりません。

法人化すると、「売上で入金されたお金-経費で使ったお金」は、
すべて会社の口座に貯金されていきます。

自分で作って、自分しかいない会社であっても、
会社は別物なので、会社の貯金を勝手に使うことはできません。

それじゃ生活できないので、決めた金額だけ毎月、会社の口座から個人口座に移します。
会社からお金が振り込まれる。サラリーマンが、勤め先から給料をもらうのと同じですね。
つまり自分に給料を払ったことになります。

給料は、会社の経費。経費が増えれば会社の税金も減るので、
法人化すると、自分への給料×税率分だけ、会社の税金を減らすことができるのです。

個人事業主さん
個人事業主さん

お金を減らさずに、経費を増やせるのはいいですね!

もらった給料から、さらに経費がひける

個人事業主の収入源は、取引先からの売上です。
売上1,000万-経費300万=700万が自分の儲けとなり、
700万をもとに個人の税金を計算をしていました。

法人化すると、取引先からの売上は会社に入るため、
売上1,000万-経費300万-給料600万=100万が会社の儲けとなり、
100万をもとに会社の税金を計算します。

この場合、自分の収入は会社からの給料600万ですね。
事業で使った経費は、会社のほうで既にひいたので、
600万が自分の儲け。これをもとに、個人の税金を計算します。

と思いきや!この600万からさらに経費がひけるのです!!

ここからは、自分ひとりの会社だとわかりにくいので、
サラリーマンをイメージしましょう。

サラリーマンは会社勤めする際、毎日のスーツや勉強代など、自分で負担しますが、
こういったお金は経費として認められていません。

しかし、サラリーマン=経費ゼロはフェアじゃない!ということで、
給料からも経費をひくことが認められています。これを「給与所得控除」といいます。

個人事業主と違うのは、経費の金額が決まっていることです。
その人の給料によって変わりますが、最低55万から、最高195万まで。
給料が600万であれば、164万ひけるので、436万をもとに個人の税金を計算します。

つまり法人化すると、給与所得控除×税率分だけ、個人の税金が減らせるのです。

個人事業主さん
個人事業主さん

これもお金を減らさずに、経費を増やせる方法ですね!
でも自分の会社だと、不思議な感覚・・

経費の幅が広がる

法人化すると、主に次のようなものも経費になります。(詳細は別記事にする予定です)

  1. 会社名義で借りた自宅の家賃(=社宅。一部、自己負担あり)
  2. 会社で契約した、生命保険料の掛金(ただし保険の種類による)
  3. 出張したときの日当(ただしルール設計が必要)
  4. 会社名義で買った車(ちょっとずつ経費になる)
  5. 引退するときに、自分に払う退職金

また会社は、常に利益を得ることを目的に活動する存在です。
つまり、会社が使うお金=事業に必要なものであるはず、という前提があります。

一方で個人はそうではありませんよね。
個人事業主が使うのは、生活費と、事業に必要なもの。
法人と違って、この区分が曖昧になりやすいので、
売上を獲得するために「直接」使ったものだけが経費、と法律に決められています。

とはいえ、会社名義なら何でも経費になるわけではないのでご注意を。
プライベートで使ったお金は、いくら法人でも経費になりません。

個人事業主さん
個人事業主さん

法人だから何でも経費になるわけじゃないんですね!

事業になぜ必要なのか、説明できるようにしておかないと。

法人税は、所得税ほどは高くならない

所得税は、個人の儲けが大きくなればなるほど、税率が階段式に高くなっていきます。

所得税率については、コチラの記事をご覧ください

一方で法人税は、税率が一律です。
さらに中小企業であれば、一定額までは安い税率を使うことができるため、
会社の儲けが大きくなるほど、所得税との税率差が広がっていくわけです。

ただし、スモールビジネスの場合、
毎年のように何億も儲けが出ることは稀でしょう。

会社でどれぐらい儲けがでるのか、自分への給料はどれぐらい欲しいのか、
シミュレーションしてみないと、このメリットを有効活用できないので、ご注意下さい。

個人事業主さん
個人事業主さん

法人と個人でどれぐらい儲けを残すのか、

バランスが重要なんですね。

決算月を自由に決めることができる

個人事業主の申告期限は、3月15日でしたね。
1~12月がひとつの事業年度になっていたので、
個人事業主は全員、12月決算ということになります。

一方、会社であれば決算月は何月でもOKです。

例えば冬が繁忙期であれば、6月決算にする。
会社の申告期限は2か月後になるので、8月末までに決算を終わらせればOKです。

個人事業主さん
個人事業主さん

会社は3月か12月決算にしないといけないと思っていました!
自由にできるのは有難いです。

信用力が増す

取引先が大会社であればあるほど、
法人でないと取引してもらえない傾向があります。
法人化することで、個人事業主ではできない仕事を獲得できるかもしれません。

また人によってメリットとは思えないかもしれませんが、
会社であれば肩書ができるため、「代表取締役」や「CEO」と名乗ることもできます。

個人事業主さん
個人事業主さん

会社を作りたい動機は、節税だけじゃないですもんね。

いつか社長と名乗りたい!この原動力も大切だ!

社会保険に加入できる

個人事業主は、国民健康保険・国民年金にしか入れませんが、
会社は、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することができます。

社会保険に入ると、主に次のようなメリットがあります。

  1. 将来の年金額が増える
  2. 病気やケガで仕事ができなくなっても、傷病手当金がもらえる
  3. 女性なら出産手当金がもらえる
  4. 配偶者や子供など、扶養されている人の保険料が免除される

保険料が高いのはデメリットにもなりますが、
個人事業主のときよりも、守られている安心感はありますね。

個人事業主さん
個人事業主さん

傷病手当金の存在は、気持ちが楽になりますね。
でも保険料は高いのかあ・・

神澤
神澤

メリット・デメリット、いずれも知ることが大切です。

次回はデメリットについてお話ししますね!

当事務所では個人事業主さんからのスポットのご相談や、
有料で、法人化シミュレーションのご依頼も承っております。

何がわからないのかわからない・・という状態のご相談でも構いません、
ぜひお問い合わせ下さい。

最後までお読み頂きありがとうございました^^

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