この記事は、個人事業主の方向けの税務調査に関するQ&Aです。
難しい専門用語なし!毎回、1問1答形式なのでさくっと読めます。

従業員の給料を現金で払っていると、税務調査で怪しまれると聞きました。
どう対策したらいいのでしょうか?

税務調査で、現金払いが指摘されやすいのは事実です。
その分、受領の記録や源泉徴収・年末調整をきちんとして、
日頃から証拠を残しておくことが大切です。
現金払いそのものが悪いわけではありませんが、
銀行振込と違って、日頃から意識して記録を残さないと、
支払いの証拠が何も残りません。
税務調査の現場では、この「証拠」がとても重視されます。
「本当にその従業員に払った給料なのか」「架空の人件費ではないか」といった目線で、
調査官から指摘されることは珍しくありません。
実際に、過去の税務調査でも、
不意に「これ、架空の給料ですよね?」と指摘を受けたことがありました。
そのときは、次のような点が重なって、余計に疑われてしまったのだと思います。
・支払い記録がほとんど残っていなかったこと
・給与明細や賃金台帳を作成していなかったこと
・源泉徴収や年末調整もしておらず、従業員の申告が漏れていたこと
そこで、従業員の情報や手帳に残っていたメモ、
ホームページに載せているスタッフ写真などを調査官にお見せしました。
あわせて、従業員ご本人にも速やかに確定申告していただくようお伝えし、
今後は給与計算業務もしっかり行う旨を説明したところ、その場は事なきを得ました。
できれば銀行振込に切り替えるのが一番安心ですが、
ご事情があって現金払いを続けざるをえない方も多いですよね。
その場合でも、
・支払った日付と金額を記録した賃金台帳などを作成する
・給料を手渡しする都度、従業員本人の受領印やサインをもらう
・源泉徴収や年末調整も漏れなく対応する
といった基本的な対策をしておけば、税務調査でも十分説明が可能です。
これらを何も整えていないと、税務調査で問題になるだけではなく、
従業員からの信用を失ってしまう恐れもあります。
税務上も、本当に架空の給料であれば、重加算税の対象です。
まっとうに払っている場合でも、突然「これは架空では?」と指摘されると、
動揺して、うまく説明できないこともあります。
調査官に疑われる隙を与えないよう、「証拠を残す」ことを意識しておきましょう。

