この記事は、個人事業主の方向けの税務調査に関するQ&Aです。
難しい専門用語なし!毎回、1問1答形式なのでさくっと読めます。

過去の決算書を見直していたところ、
勘定科目のミスがありました。
税務調査でペナルティの対象になるのでしょうか?

収入・経費・資産・負債、
それぞれ同じグループ内の勘定科目ミスであれば、
特に影響はありません。
確定申告時に提出する、貸借対照表・損益計算書・収支内訳書を見るとよくわかりますが、
勘定科目は、「収入」「経費」「資産」「負債」にそれぞれ分かれています。
例えば、”旅費交通費”として登録すべきものを、
間違って”通信費”に登録してしまった場合。
どちらも同じ「経費グループ」ですね。
税金の計算は「収入-経費」で計算されるため、
同じグループ内の勘定科目ミスであれば、税金の計算には影響しません。
追加で払う税金がゼロなら、ペナルティも発生しないことになります。
一方、別グループにまたがっての勘定科目ミスは、
税金の計算に影響する可能性があります。
例えば、
➀”売上”とすべきものを、”売掛金”にしてしまった。
➁”工具器具備品”とすべきものを、”消耗品費”にしてしまった。
➀は、「収入グループ」のものを「資産グループ」にしているので、
収入を少なく申告している状態。
➁は、「資産グループ」のものを「経費グループ」にしているので、
経費を多く申告している状態。
いずれも追加の税金が発生するため、
税務調査で指摘を受けた場合、ペナルティ(過少申告加算税・延滞税)の対象になります。
単純なミスであれば、重加算税の対象になることはありませんが、
影響額に応じて、税務調査前の修正申告も検討するとよいでしょう。
まずは落ち着いて、どのグループの勘定科目なのかを確認してみてください。
ちなみに、経費の勘定科目を分けるのが面倒だからといって、
”雑費”など特定の勘定科目に全て振り分けてしまう方がいます。
この場合、税務調査に選ばれやすくなる要因になりますし、
何にいくら使ったかを把握していないのは、事業を続けるうえで危険な状態です。
慣れない確定申告作業は大変ですが、
できる限り、適切な勘定科目に振り分けるようにしてくださいね。